人気カフェ&靴工房 大阪から長浜の古民家に
この秋、大阪から移住した3人組が、長浜市東上坂町の築90年の古民家で素敵なお店をオープンさせました。
母屋では、清水すがたさん(49)、東祥平さん(48)がカフェと雑貨店の「
一心茶房」と手づくり蒸しぱんやおやつを扱う「
一點の蒸しぱん」を、切り盛りします。たくさんの野菜を使った飽きのこない定食が人気メニュー。小鉢料理にも手間がかかっており優しい味わいです。告知をほとんどしなかったにもかかわらず連日満席で、うれしい悲鳴をあげているそうです。
離れでは、手づくり靴の工房とお店「Ippo ippo」を赤尾恵利子さん(47)が営んでいます。素朴で誰にでも似合う、革の風合いが生かされたセミオーダーの革靴は、完成まで10ヶ月待ち。大阪で開いていた靴づくりの教室は、長浜に移ってからも7人の生徒さんが月1回はるばる通う人気ぶりです。来春からは長浜でも教室を開く計画もあるそうですよ。
25年間空き家だった物件 3人はもともと大阪・難波でそれぞれ店舗を構え10年以上営業していました。大都会で忙しく仕事に取り組む生活から新しいライフスタイルを求め、「仲の良い3人のお店を一つの場所でやろう」と古民家探しを始めます。淡路島なども候補地にするなか、インターネットでたまたま目に入ったのが長浜市内のお家。昨年秋、初めて湖北地域を訪れ、空の広さや伊吹山の存在感に「グッときた」と赤尾さんは振り返ります。
さらに長浜市の空き家バンクを通して改めて物件探しを行い、今年2月に購入に至ります。25年間空き家だった物件ですが、所有者が管理を丁寧にしてきたおかげで状態も良く、ずっと大切にされてきた家だと3人そろって感じたことが決め手になりました。3ヶ月で改築を行い、カフェ内には薪ストーブも入れて温かな雰囲気のお店が完成しました。
友人3人で支え合う 東さんは「長浜の人は、みんな余裕があって優しいですね。お客さんが雪の心配をしてくれたり、接客をお待たせしてしまっても『全然大丈夫』と声をかけてくれたり」と話します。虫の音を聴き、星や空の色を眺めて四季を感じる時間が増えたと喜ぶのは赤尾さん。「日常のちょっとしたことに贅沢さを感じます」
3人は友達であり同僚で、同居人。「夫婦などの関係性でなくても、お互いに気にかけあえる人がいることが支えになっています。3人だからこそ移住ができました」と清水さん。来る初めての冬に向けて、楽しそうに作戦会議を開いていました。
◯一心茶房+一點の蒸しぱん
080-6118-1138
11:00〜16:00
不定休
https://www.instagram.com/issinchabo.itten/ ◯Ippo ippo
090-9612-8905
https://ippoippo23.exblog.jp/来店時は要問い合わせ
所在地
長浜市東上坂町1380
左から東さん、清水さん、赤尾さん。「長浜でのお店と暮らしのスタイルをゆっくり見つけていきたいです」
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「こちら田舎暮らし案内所」は、長浜市内で発行するローカルペーパー・さざなみ通信にて長浜市移住定住協議会が連載している記事です。移住者や空き家活用事例を紹介しています。
こちら田舎暮らし案内所 <2022年11月掲載>