森を歩く楽しさを多くの人に
三浦豊さん(45)のなりわいは「森の案内人」である。全国各地にある森のガイドをしたり、森に関する執筆や、インターネット上でブログのアップをしている。森のすばらしさ、森を歩く楽しさ、喜びを多くの人に味わってもらうことで、生計を立てているわけだ。
全国いろんな森をめぐると、地域ごとの良さが比較できる。出身は京都だが、お隣の近江が以前から気になっていたという。真ん中にびわ湖がある。水を湛える広大な空間が広がっていることが、代えがたい魅力だという。
そんなとき、ながはま森林マッチングセンターの橋本勘さんにお誘いを受けたことがきっかけで、菅山寺の森をいっしょに歩き、手入れをお手伝いするようになった。
橋本さんたちと「菅山寺の森 友の会」を立ち上げて活動するなかで、何人かの友だちに長浜への移住を勧められるようになった。幸い、「いざない湖北」のお世話で木之本町小山にある古民家を借りられることになり、現在はリフォームなど移住作業の最中だ。
まずは木から 最初に京都から移住してきたのは百本の木である。
「木も家族の一員だと思っています」と三浦さん。小山の家の周りには畑が広がっている。ここに百本の木が京都から移植された。オオウラジロノキ、ザイフリボク、ツリバナ、ウグイスカグラ、メグスリノキ……。三浦さんの口から、次々と聞きなれない木の名前が出てくる。
「京都では木がすし詰め状態で、広々とした所に植えかえてやりたかった」と話す。木がゆったりと育つような広々とした土地があるところ、それも移住を決めた要因の一つだという。
リフォームが済んだら、奥さんと子どもさんと3人での長浜暮らしが始まる。三浦さんのお父さんも、ときどきはやって来る予定だ。
豊かな森の国で、私たちは森とどう暮らしていくのか。長浜から全国へ発信していきたいという。
三浦豊さんのHP
「森の案内人」
https://www.niwatomori.com/ 木之本町小山で3人、ときどき4人の暮らしがまもなく始まる
森林マッチングセンターのイベントで、菅山寺の森を案内する三浦さん
(2020年、写真提供:同センター)
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「こちら田舎暮らし案内所」は、長浜市内で発行するローカルペーパー・さざなみ通信にて長浜市移住定住協議会が連載している記事です。移住者や空き家活用事例を紹介しています。
こちら田舎暮らし案内所 52<2022年7月掲載>