古着店経営
地元長浜を面白い場所にしたいという思いで、2007年に念願の古着店をオープンした池田さん。2015年にはお店で出来ることの幅を広げるために、改修した古民家でリニューアルオープン。今後の展開に期待が集まります!
長浜市が出身の池田さん、2007年に地元で古着店 〈tetra〉(テトラ)をオープンします。2015年には新たなお店の可能性と展開のために、旧長浜市エリアの中心市街の町家に移転、リニューアルオープンを迎えました。
高校卒業後は興味のあった服飾の道に進みますが、ブランドやメーカーなど流行に追われる仕事をするのではなく、そうした時代に左右されない息の長い仕事や価値を提案したいと考えるようになります。また、実家が、自営業だったこともあり、仕事は暮らしの延長にあるものだという意識が強く、どこかに勤めに出るのではなく、いつか自分の力で事業を立ち上げたかったという思いもどこかにあったといいます。そうした、思いに揺れる中で、自分のペースで、自分の価値観を提案できる古着であれば、自分の思いを実現できるはずと考えるようになります。そして、幾つかのアパレルのショップで、店舗運営の経験を積み、念願のオープンへと踏み出しました。
「自分の故郷が面白い町になってほしいという思いがずっとあり、お店を出すなら地元でと決めていた」という池田さん。周囲の理解と応援があったからこそ続けられたと当時を振り返ります。2015年の移転のきっかけは、続けることが目標だった最初の思いから、続けるだけでなくお店としての幅を広げたいという思いに変わったことだったとか。小さなテナントのスペースから、古民家を改修した長浜八幡宮の参道の一画へ移り、新しい地域のコミュニティの場として生まれ変わりました。古着屋+αの池田さんの今後の取組に期待が高まります。
どんな仕事をされていますか?
長浜の中心市街地から長浜八幡宮に至る参道の一画にある町家に古着店〈tetra〉があります。ひとりひとりのお客様にあった服との出会いを提供出来ればという思いで営んでいて、洋服を買っていってくださった方が、実際に着てくださっているのを見た時に喜びとやりがいを感じます。今後は店舗のスペースを活用した取組もしたいと考えています。
起業のきっかけ
もともと流行に左右されない価値観を提供出来る古着に興味があったことと、長浜の町を面白い町にしたいという2つの思いがあったので、地元で古着店をオープンさせました。ふわふわとした夢が現実味を帯びたのは、アメリカ旅行の際に古着のバイヤーの集まる町でその様子に出会えたことでした。2007年にオープンし、2015年には新たな目的のために中心市街地に移転しました。
地方で仕事をやる上での工夫
都市部での古着店で勤めていた時に感じたのは、都会ならではの時間の流れの速さとコミュニケーションの希薄さでした。長浜の空気感は逆にゆったりとしていて、だからこそお客さまの人となりも見え、販売の場がコミュニケーションの場になっているように感じます。ただ洋服を販売するのではなく、お店自体もその方たちにとってのライフスタイルの一部になって欲しいという気持ちがあります。
起業時に比べ今はどういう状況ですか
2015年の移転で実感したのが、tetraを利用してくれているお客様の存在でした。移転先の市街地では、ふらっと散歩ついでにと来てくれる方も増え、細いなりにも裾野を広げていければと考えています。また、環境問題に興味を持っていた知人と始めた琵琶湖のゴミ拾い「ロハスタイル」も恒例の活動となっています。
長浜での暮らしの魅力を教えて下さい
人と人とのご縁が近いのがこの地域ならではのことと感じています。自然も豊かで、食材も生産者の顔が見えやすかったり、お裾分けで頂いたりと縁に感謝することばかり。また、長浜の商店街は普段使いできる店も多く、「これを買うならこの店」というような付き合い方が出来るのも大きな魅力です。
今後の展望を教えて下さい
暮らしの魅力同様に、お店同士の顔の見えるお付き合いがとてもおもしろく、地元で必要なものを買いあえる環境があります。tetraもそのサイクルの一つとして、地方都市ならではのコミュニティを形成されていければと思っています。