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仕事づくり 長浜のこれからを担うクリエイターたちの仕事づくり

建築家

佐野 元昭さん

佐野 元昭さん

都会の憧れで一度は長浜を離れるも、地域の魅力を再発見し、建築家として長浜市で独立した佐野さん。長浜らしいライフスタイルの実践とそのライフスタイルを広く建築空間へ提案しています。

お仕事概要

 長浜市(旧浅井町)の兼業農家の家に生まれた佐野元昭さん。高校卒業までを地元で過ごし、幼い頃は田んぼや山、川など自然をフィールドに遊んでい過ごしていました。その一方で、物心ついた頃から家を建てる仕事に興味を持つとともに都会の暮らしに憧れ、大学進学を機に大阪で暮らし、就職先は東京を選択します。高校から大学、就職の時に感じていた田舎への嫌悪感でしたが、帰省の度に出迎えてくれる伊吹山や見慣れた田園風景に気持ちがほっと落ち着くのを感じていたといいます。そうした思いが強くなっていくのに合わせて、心のどこかで、将来地元に帰り家庭を持ち、自分の事務所を構えたいと考え始めるようになっていきます。

 移住の転機となったのは結婚を決意したことでした。子供が育つ環境は都会ではなく、自然あふれる地元の方が良いと考え、東京の会社を退職し住み慣れた長浜へとUターンしました。戻ってからは3年半ほど建築系の会社に勤め、27歳の時に自分の事務所を構え独立しました。とはいえ、開業資金もない中での独立開業は苦労の連続だったと佐野さん。実家の空部屋を借りながらも、お客様に恵まれ徐々に忙しい充実した日々を送れるようになっていきます。独立当時、比較的時間にゆとりがあったことで、子供と過ごす時間を増やせたり、実家の田んぼを手伝ったり、地域での暮らしぶりといった地域文化に足を運んで知るうちに、改めて長浜に帰ってきて良かったと確信したといいます。

 サラリーマン時代は仕事中心のライフスタイルで、家は帰って寝るだけの場所でしたが、独立後は長浜で過ごす時間が増えるにつれ、潜在意識として持ち続けていた自然と寄り添った暮らしへの欲求が溢れてくるように。現在は、仕事でもプライベートでも、長浜での時間を大切にし毎日を生活しています。仕事においても、町家や古民家での暮らしや田舎普請の家を推奨していきたいと考えています。

 2016年にはまちなかの古い長屋に事務所を構え、田舎暮らしや町家・古民家での暮らしの魅力をたくさんの方に届けていきたいと思ってます。

佐野 元昭さんの仕事づくりストーリー

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どんな仕事をされていますか?

主に住宅や店舗の建築設計デザインとインテリアの仕事をしてます。家づくりでは、流行や消費社会に影響されない普遍的で豊かな暮らしのお手伝いができるよう、木のぬくもりや薪ストーブなど、火のある暮らしの提案をしています。好きなファッションで着飾るようにインテリアやエクステリアも含め、住まい手のカラーがでる家を一緒につくりあげることを心がけています。

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起業・独立のきっかけ

地元に帰ったら独立する!とかなり漠然とした気持ちはありましたが、具体的な計画はなくUターンして会社勤めしていました。途中、役員がかわり会社の経営方針に合わず退職し、再就職するか独立するかで悩んでましたが、奥さんからの「好きな仕事をしーや」の一言で吹っ切れ、開業資金もない中で独立を決心しました。起業セミナーに参加したり、諸先輩方にアドバイスもらったりと走り回っていた記憶があります。

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地方で仕事をやる上での工夫

一番大切なのは、人脈づくりだと思います。今のところ、「ホームページ」を見て!という問い合わせはありません。お客様や友人・知人からの紹介がほとんどです。同業者など関係なく、自分の価値観に合う人と多く知り合うのがいいと思います。独立当初は、地元から離れ疎遠になっていたのでいろいろな会合に参加したり、企画したりしていました。また、ターゲットを明確にして「どんな人にどんな商品をお届けしたいか?」を考えることが大切だと思います。

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起業時に比べ今はどういう状況ですか

起業時は主に前に勤めていた時のお客さんやパートナーからの紹介の仕事で滋賀県南部の方が多かったですが、今は、御陰さまで地元、湖北エリアの仕事がほとんどです。また、起業当時はアルバイトも掛け持ちしながらでしたが、直接僕を指名してお仕事の依頼をしてくださる方も増えてきました。他業者さんとの差別化もできつつあり、やりがいのある仕事をさせて頂いてます。当初は「いかに継続させていくか」を日々考えてましたが、今は仕事を通して「地域や社会にどんなことを提供できるか?していきたいか?」を考え、次のSTEPを愉しみに毎日仕事してます。

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長浜での暮らしの魅力を教えて下さい

普遍的な豊かな暮らしが今なお継続されているということ。長浜独自の時間軸の中で育まれた生活文化や歴史的背景があり、自然と共生しながら自分なりのライフスタイルを子どもからお年寄りまでそれぞれの愉しみ方があるということです。僕としては仕事の後にふらっと山に行くことが出来たり、長浜市といっても地域ごとに多様な文化がありそれに触れられることが魅力的です。言葉では伝えられない、住んでいるからこそ感じられる魅力があります。自分の成長とともに愉しみ方が増えるのは間違いないです。

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今後の展望を教えて下さい

家づくりと日々の暮らしは切っても切れない関係です。仕事を通じ、空間づくりだけでなく、ライフスタイルの提案までしていき、空き町家・古民家の利活用を積極的に実践していきます。2016年からは新たな古い長屋に拠点を構え、そこから建築だけでなく、衣食住や長浜での愉しみ方を発信しつづけることと、長浜での自分のやりたいことを生業にし生活していけることを証明し、仲間を増やすことに力を注いでいきたいと思います。