長浜市地域おこし協力隊
森屋 結
さん
移住年:2015年
「長浜市地域おこし協力隊」のひとりとして、旧余呉小学校の校舎など、余呉町内の施設を活用した芸術・文化活動で地域活性化を目的に、東京から移住してきた森屋結さん。今ではオペラのソプラノ歌手としても活動されています。
小さいから好きだった舞台をきっかけに、音楽、特に歌うことが好きになり、高校卒業後は、ミュージカルを学ぶために音楽大学に進学します。そんな中で、1年生の時に見たオペラの講演に衝撃を受け、自分もこの道に進みたいと思うように。見るのは面白いけれど、発声のトレーニングやオペラの背景にあるイタリア語や歴史を学ぶためのレッスンなど、実際にやることの難しさは相当のものでした。ただ、音楽が好きだという小さい頃からの気持ちはずっと変わらず、好きなことだから続けたいと、大学卒業後も、大阪や東京でアルバイトをしながらオペラを続けていきます。
そんな森屋さんにとって転機となったのは、当時指導を受けていた先生の言葉でした。「音楽も生活にもお金は必要だからこそ、仕事のことを第一に考えなくてはいけない。その生活の土台がないと歌にも表れるよ」。その言葉を境に、改めて自身のライフスタイルを見直すようになった頃、音楽を通じて知り合った長浜の方に、長浜市地域おこし協力隊のことと、ローカルコミュニティで音楽をするというこれまで考えもしなかった選択肢を提示してもらいます。百聞は一見にしかずと訪れた余呉で見たものは、「小さなコミュニティの中で、自分たちだけでも出来る、音楽イベントをしていこうとする地域性」でした。地域おこし協力隊の活動を通してまちづくりに参画することで、自分の居場所を持ちながら、これまで以上に楽しんで音楽が出来るかもしれないという期待が移住の決め手になったと言います。
地域おこし協力隊の任期は最長3年間。地域の人々の音楽への理解を深め、より多くの方がもっと気軽に音楽に触れられる土壌を作っていきたいと話す森屋さん。長浜市北部地域に新しい文化ができ始めています。
家はどのようにして 見つけましたか?
木之本町の北国街道の一本裏の筋に古民家を借りています。「長浜市地域おこし協力隊」に任命されてから、長浜市から紹介を受けた物件の中から選んだんですが、これまで車がない生活だったので、交通の便から木之本町に決めました。ただ、ゆくゆくは主な活動の拠点となる余呉町に住みながら、その地域の活動を出来ればと考えています。
仕事はなにをされていますか?
2015年夏から「長浜市地域おこし協力隊」として、旧余呉小学校の校舎など、余呉町内の施設を活用した芸術・文化活動で地域活性化を目的に移住してきました。
なぜ長浜への移住を 決めたのですか?
音楽を続けていくには、生活の基盤を作らなくてはならないという、恩師の言葉がきっかけで、ライフスタイルを改めて考えるようになりました。そんな中で、地域おこし協力隊の話をいただき、さらに、長浜市の北部地域ではすでに音楽活動が地域コミュニティの中で行われていて、「地域で音楽活動をする」というスタイルが自分のこととしてイメージ出来たからです。
移住の際どんなことが 大変でしたか?
車が必要でない生活を送っていたので不安でしたが、木之本はJRがある他、地域の人が同乗させてくれるなど、暖かい人が多いと感じています。
長浜の暮らしの魅力って?
地域で頑張って活動をされている方たちは皆繋がっていて、その繋がりからいろいろな人を紹介していただけます。また、農業が盛んで、道の駅以外にもマルシェなど地域の美味しい食材が安く手に入ります。
地域とはどのように 関わっていますか?
住んでいる木之本町では、地元コーラスグループに入って地域の方と音楽を楽しんでいます。一番嬉しかったのは、入居した時に町内放送で私のことを紹介してくれたことでした。今後は地元の高校の吹奏楽部と一緒に音楽をするなど、積極的に地域と関わっていきたいと思っています。
将来の夢 今後していきたいことはありますか?
今後は老人会や、小学校などでの音楽指導や移動演奏会などもやっていければと思っています。芸術に触れる機会を増やし、外からも人を呼びこむなど、芸術・文化を通じた交流を活発にしていきたいです。またオペラはライフワークとして続けていき、30歳までにオペラの演目を10本できるようになるのが当面の目標です。
休日の過ごし方を教えて下さい。
長浜は、自然が豊かなところで、湖はもちろん、直ぐに山にも遊びにいける環境です。トレッキングや魚釣りの他、冬はウィンタースポーツにも挑戦したいです。
移住を考えられている方へ メッセージを。
移住に悩むくらいなら、一度来て、機会があるなら少し住んでみて下さい。思ったより若い人も多くて、自分と同じ思いを持った人にきっと出会えるはずです。人との繋がりを大切にする方々ばかりなので、なにか困ったことがあれば助けてくれます。